今回は、「幸福の『資本』論」のブックレビューです。
幸福の基準は人それぞれですが、
多くの人が参考になる内容だと思います。
ああ、もっと若い時に読みたかった。
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橘玲さんと「幸福の『資本』論」のイントロダクション
著者は、
お金や投資や自己啓発なんかの著作がベストセラーになっている作家の橘玲さん。
本書は幸福な人生を送るためには、
3つのインフラを充実させる必要がある。
という、内容の本です。
その3つのインフラ(資本)とは下記の通り。
②人的資本
③社会資本
ちょっと堅苦しいので自分なりにわかりやすく解釈するとこんな感じ。
②仕事
③人とのつながり
少しはわかりやすくなりましたかね。
では、この3つのインフラがなぜ幸福につながるのか。
それは幸福になるための下記の3つの条件に対応しているからとしています。
「3つの資本」と「8つの人生パターン」
3つのインフラをひとつずつ取り上げて、
どうすればその資本を増やす(充実)ことができるのかを解説しています。
副題には、
とあります。
3つのうちどの資本が充実しているか(充実していないか)で、
人生を8つに分類しています。
8つをざっくり見て、
①プア充と②貧困はいやだなと、
個人的には思ってしまいました。
逆に考えると、
人生において、どの資本を充実させるか。
何に価値観を見出すかで自分なりの幸福にたどりつけることになりますね。
皆さんならどのタイプの人生を目指しますか。
読んで良かった点。
漠然として曖昧な、人生や幸福についての考え方。
それを3つの資本という切り口で分析して、
幸福になるためにどうすればいいかを解説してくれているので、
多いに参考になると思いました。
人生の時々で訪れる分岐点において、
何を重要と考えるか、
どちらを選択すればいいか、
のヒントになると思います。
また読んでいるうちに、
人生や自分自身を見つめなおすいい機会になりました。
著者の主張について、
ちょっとそれは違うんじゃない・・と、
批判的な考えが浮かんだりして、
自分自身の価値観を再認識することにつながりました。
ちょっとした違和感を感じる部分。
3つの資本について、
たくさんの事例をあげて解説していくれています。
ホントに豊富な資料を取り上げていて、
大いに参考になりますが・・・。
大いに参考になることを前提で、
ちょっと感じた違和感について書きます。
取り上げる資料が豊富でありがたいですが、
結構詳しく取り上げているあたりは、
もっと簡単でもいいのかなと感じます。
たとえば、人間のつながりの例として、
アメリカの高校生のセックスの調査を、
相関図を取り上げて解説しています。
異なるグループではあまり交流がないということを解説していましたが、
そこまで詳しくなくてもいいかなと思いました。
また、人生を生物の生存競争になぞらえて解説する箇所では、
ゾウリムシとミドリゾウリムシの共存をグラフを示して解説しています。
「棲み分け」とか「ニッチ」とか、
主張は十分伝わるので、グラフを示すまでもないかなと・・・。
豊富な資料や著作からの引用で、
著者の主張を補強していますが、
知識や読書量のひけらかしもちょっと入っているかな・・・と感じる部分もありました。
(ひねくれててすいません)
また、自身の主張を補うべく、
資料やデータを都合よく引用して、
知識のつまみ食いをしている思ったりもしました。
本全体から受ける印象として、
現代の日本の社会、政治や経済に、
著者が大きく不満を持っているのは容易に想像がつきます。
また、日本社会の人間関係や、
伝統的な社会のあり方にも否定的だと感じました。
つまり、
豊富なデータや資料を引用して、
客観的であろうとする姿勢は理解できますが、
この本は、
少なからず著者の価値観に根ざした「幸福論」
だということを忘れてはならないと思います。
(著者の主張が間違っているという意味ではありません)
「幸福の『資本論』」 まとめ
人生について考えるには、うってつけの本です。
「幸福」という曖昧な目標。
それを実現するための具体的な考え方を示していて、
とても参考になります。
友達や知り合いに躊躇なくオススメできる本だと思います。
(人気YouTuberの元ネタにもなっているので、読んで損はないと思います。)
人生の半ばを過ぎて、後半を迎えた自分からすると、
もっと早く読みたかったと思いました。
人生や幸福について考えている方。
少しでも気になる方はすぐ読んでみることをオススメします。
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