今回は本の紹介です。
ドラマ化もされて話題となっている、
「三千円の使いかた」です。
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「三千円の使いかた」の感想。
ドラマ化もされて、
文庫で版を重ねるベストセラーだということで読んでみました。
お金や節約に関する内容が含まれていて、何かと参考になる本・・・・、
という前知識だけで読みました。
最初の感想は、当然ですが「小説だな」という感想。
てっきりお金や蓄財の知識等が満載なのかと思っていましたが、
語り手の人生が描かれる過程でお金の問題が登場するという感じ。
なので、お金の知識を増やそうと思って読むと不満が残るかも。
「三千円の使いかた」のストーリー。
各章で語り手が変わる、連作短編の形式。
祖母、父、母、長女、次女の御厨(みくりや)家を中心に物語は進む。
語り手は、
・独身一人暮らしで会社勤めの次女の美帆。
・自身の健康と老後の資金に悩む、73才の祖母の琴子。
・消防士の夫と娘と暮らし、節約と蓄財に励む専業主婦で長女の真帆。
・働きたい時だけ働いて自由で気楽な生活を謳歌している小森安生。
・老後を前に、入院したことで今の生活を見直そうとする母智子。
小森安生だけ、御厨家とは無関係だが、
ホームセンターで、祖母の琴子と知り合ったことで、
琴子や御厨家と付き合うことになる。
「三千円の使いかた」の読みどころ
今を生きる、等身大の各世代の女性の生活と、
それぞれが考える人生やお金について描かれていて、
単純に興味深かった。
(年代も性別もちがう、女性の心理はなかなか知りえないものなので・・・)
お金を切り口にそれぞれの語り手の人生が描かれていて、
その点も興味深く読んだ。
(あくまで小説なので、節約や投資についての知識を深めようとして読むともの足りないと感じるかもしれません)
不満・違和感を持ったところ。(男を描くのは苦手?)
一人だけ男性の語り手の小森安生。
全体的に安生に関しては現実感を感じなかった。
(こんな奴いないでしょという感じ)
定職に就かず、働きたい時だけ働いて、それ以外は自由に生きる男。
季節労働者としてお金を稼いで、気楽に暮らす。
この男がまぁ、優柔不断なこと。
特に女関係でどっちつかずで、結論を出せずにウジウジする。
優柔不断な男は数多くいると思うが、
そんな男の多くは就職して、
社会のしくみに取り込まれて流されて生きているのがほとんどだと思う。
自分もそのひとりか。(笑)
自由な生活をあえて選んでいる人は、
人生についてもそれなりの哲学を持っている人が多いと思うのだが・・・。
その他、著者の描く男性像はステレオタイプで、
ちょっと古くないか、と思ってしまう。
御厨家の父の和彦も典型的な昭和の男のような描かれ方。
妻は自分の飯をつくるだけの存在・・・と考えている男。
会話もぶっきらぼうで、リアルな感じがまったくしない。
今の時代、こんな父親がもしいるなら、
貴重な存在なのでむしろ保護したいくらい。
次女の美帆が勤めている会社の男性社員の描かれ方もひどい。
ベテランの女性社員の陰口を言い合う感じ。
男への嫌悪感を感じた。
(著者はミサンドリーの傾向が強いのか?)
「三千円の使いかた」の感想まとめ
世代の違う女性のそれぞれの視点で、
今の人生が描かれていて、とてもおもしろく読みました。
また、全体的に文章も読みやすかった。
お金を切り口にした小説。
小説としては想像以上に楽しめました。
女性はもっと共感できて楽しめるのではないかと想像しました。
(主な読者は女性なんだろうな・・・。)
お金や節約の実用的な本としてはもの足りないと思います。
あくまで小説なので・・・。
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