今回は、ミステリーの翻訳本を紹介します。
カリン・スローターの新たな傑作と評判の高い、
「スクリーム」です。
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結論 「スクリーム」は読むべきか?
著者のカリン・スローターのファンはもちろん、
(ファンならオススメされずとも読んでいるとは思いますが・・・)
ミステリーやエンタテイメント好きの人は読む価値ありです。
アメリカの捜査当局の捜査の様子を、
リアルに、時にはグロテスクに描いていて、
とても興奮して読みました。
たっぷりのページ数なので、
長い休みに、どっぷりと本の世界に浸かりたい人にはピッタリです。
本書と著者、カリン・スローターについて。
恥ずかしながら著者の本を読むのは初めて。
著者は、読書好きには有名なベストセラー作家。
「グラント郡」シリーズや、「ウィル・トレント」シリーズで人気を博しているそうです。
そして、本書「スクリーム」はその人気シリーズ、
「グラント郡」シリーズと「ウィル・トレント」シリーズのクロスオーバー作品。
ファンならずとも読みたくなるような傑作だと、評判です。
「スクリーム」のストーリー。
カバーの見返しには以下のようにストーリーが書かれています。
刑務所内の暴動中に起きた殺人事件の捜査にあたるウィルは、服役中の男から犯人を教える代わりに8年前の連続強姦殺人事件を再捜査する取引を持ちかけられる。不正捜査によって男を逮捕したという人物は声望の高い前グラント郡警察署長、ウィルもよく知る人物だった。時を置かず当時と同じ異様な手口で傷つけられた女性の遺体が発見されーーー。
物語は現在と過去が交互に描かれる。
連続強姦殺人の捜査の様子を、
現在は、ジョージア州捜査局の検死官のサラ、恋人の捜査官ウィル、
8年前は、グラント郡の警察署長で、サラの元夫のジェフリー・トリヴァーの、
それぞれの視点で語られる。
両方の時代で捜査に関わっているサラ。
8年前にはわからなかった事実、証拠が、徐々に明らかになってくる。
連続強姦殺人の犯人は、服役中の男なのか。
それとも別に真犯人はいるのか。
(そこが気になってどんどん先を読んでしまった。)
そして、8年前と現在のサラの私生活の変化と苦悩も描かれている。
読みどころ シリアル・キラーを追う捜査官の視点。
著者は、この作品はラブ・ストーリーでもあるとあとがきで書いているが、
個人的にはやっぱり捜査官が事件の手がかりを追う場面が面白いと思った。
連続強姦殺人の犯人は服役中の男か。
別に真犯人はいるのか。
いるとすればそれは誰なのか。
いままで事件として扱われていなかった死亡事故や失踪事件。
調べていくと、連続強姦事件との共通点がわかり始めてくる。
被害にあっていた女性で、生存している人がいて、
その人に当時の話を聞きにいったり、
事故死として埋葬された遺体を掘り起こして、
再度検死したり。
捜査の全体を眺めているような、
捜査官の間近でその様子を見ているような感覚で、
興奮して読んでいた。
「スクリーム」のマイナスポイント。
長い小説で、過去と現在を交互に描いていて、
とにかく、登場人物が多い。
だから名前が覚えられない。
カバーの折返しの見やすい部分に、
登場人物表が載っているので、
出版社もそれは十分承知しているのがわかる。
しかも、外国の小説に特有の、母親を名前で読んだり、
登場人物の名前を上の名前で読んだり、下の名前で読んだりするので、ややこしい。
その都度、登場人物表を確認した。
もう一つあげるとすれば、グロい点ですかね。
検死や、事件の現場検証で、
遺体の様子や、解剖した人体の様子がこと細かに描かれます。
とてもリアルで、臭ってくるようなほど。
人によっては嫌悪感を覚えるかもしれません。
「スクリーム」まとめ
突然のザプライスや、
劇的な展開なんかはないけれど、
地道な捜査で明らかになる事実を積み上げていって、
真相に辿り着く様子はとても興奮してしまった。
8年という時の流れは、
人を成長させるのか、それとも逆か。
事件の加害者、被害者、捜査担当者。
それぞれが8年をどういう心持ですごし、
何を感じていたか。
(胸アツの瞬間)
作者は、サラとウィル、そして、ジェフリーの私生活の様子を描き、
ラブストーリーとしても読んでほしいと思っているらしいが、
個人的には、事件や事件捜査の様子の方が面白かった。
そして、サラという女性があまり好きに慣れなかった。
(なんか都合いいことばかり言う感じがして。)
有能で優しい女性だとは思うのだが。
個人的には、ウィルの相棒のフェイス(女性)の方が、
率直で親しみやすさを感じて、好感を持った。
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