今回は、日本統治時代に建設された、
臨時首都記念館を訪問した時の様子をお届けします。
かつての知事官邸であり、
朝鮮戦争当時、大統領の官邸として使われた歴史的な建築物です。
旧 慶尚南道知事官邸。「日本遺産」の臨時首都記念館。
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臨時首都記念館の営業時間・場所
臨時首都記念館の地下鉄の最寄り駅は土城駅。
2番出口から5・6分ほどで到着します。
建物は高台に建っているので、途中、階段や上り坂がありました。
営業時間 | 9:00 ~ 18:00 |
休館日 | 1月1日、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館) |
入場料 | 無料 |
▼臨時首都記念館の場所
勝手に「日本遺産」と呼んでいます。
海外の日本統治時代に建てられた建物や建造物などを勝手に「日本遺産」と呼んでいます。
まだ近代化や工業化前だった台湾や朝鮮に、
当時の最先端の技術やデザインを駆使して、
日本と同レベルの、場合によっては日本以上の社会を築こうとした、
当時の日本の理想や考えに直に触れることができて、
とても貴重と思えるのでそう呼ぶことにしています。
どこかの機関が遺産に認定などはしていませんので、ご了承お願いします。
臨時首都記念館への道
臨時首都記念館につづく緩やかな坂道に入ると、若い人が目立ち始めました。
右手には、東亜大学富民キャンパスがあり、学生さんたちだと思います。
しばらく行くと、韓国の歴史や発展の様子を展示する、
モニュメントやアートがありました。
この道をたどると、自分たちの歴史を自然に追体感できる演出。
なかなか凝ってていいですね。
▼臨時首都記念館につづく道。右に東亜大学があります。
▼道の途中に民族の生活の様子を描いたレリーフ。
▼庶民の日常を描いた素朴なタッチのアート。
▼坂道を振り返るとこんな感じ。
坂の登りきったところには階段がありました。
朝鮮戦争時に韓国側に加勢してくれた国々の国旗を展示していました。
当然ながら日の丸はありません。
各国の国旗を見ながら、まだ朝鮮戦争は終わったわけではなく、
停戦中ということを思い出しました。
▼階段に各国の国旗
臨時首都記念館の歴史
臨時首都記念館、旧慶尚南道知事官邸が完成したのは、1926年8月。
大正15年、昭和元年です。
(昭和元年は12月の数日しかないので、厳密には大正15年ですね。)
終戦後も知事公邸と使われていたそうですが、
朝鮮戦争が始まり、北朝鮮軍に韓国軍が押し込まれ、
韓国政府が釜山まで退いてきて、
釜山が臨時首都になった時に、
初代大統領の李承晩の大統領官邸として利用されていたそうです。
1984年に臨時首都記念館として利用され、
歴史的建造物として保存されることになったそうです。
日本統治時代、戦後、そして朝鮮戦争と、韓国の激動の時代を知る、
貴重な建築物ですね。
臨時首都記念館 外観
階段を登るとすぐに臨時首都記念館があります。
エントランスには受付があり、いかにも元要人の邸宅という感じ。
でもかなり修繕されていて、リニューアルされている印象を受けました。
▼臨時首都記念館 エントランス
入場は無料なので、特に受付をすることなく中に入れました。
ゆったりした敷地に建物は建っていました。
レンガ造りで屋根は瓦屋根。
レンガの煙突があるのが特徴的。
▼臨時首都記念館の案内図
▼臨時首都記念館 外観
▼建物の正面側の敷地には、この建物の説明板が4ヶ国語でありました。
▼正面玄関。入り口の扉はリフォームしたものでしょうか。欄間は当時のもののような色合いです。
臨時首都記念館 内部
玄関から中にはいります。
雰囲気は日本の古き邸宅といった感じ。
靴を脱いで部屋に上がりました。
印象としては記念館にする段階で、大きく修復したのではないかと想像しました。
日本にもある古き洋館とした感じはしましたが、
壁や壁、扉などは新しくされた印象があります。
玄関すぐ横の応接室。
暖炉があって、細長い格子状の窓が規則正しく並んでいます。
事務的ではありますが、気品がある部屋でした。
▼入り口脇。日本語のガイドもありました。
▼玄関すぐ横の応接室。
▼暖炉もあります。リフォームされた印象で新しさを感じます。
▼応接室のとなりにある書斎。
▼食堂
1階で個人的に興味深かったのは、トイレ。
便器とがなんともレトロで、今見ると洒落ていました。
おそらくこの便器は完成当時のものではないかと思って眺めました。
残念ながらトイレに入れなかったので遠くから眺めました。
▼トイレ。床のタイルは修復されてますね。
でも奥の便器はおそらく当時のものではないでしょうか。
▼この便器は貴重ではないですかね。
▼小便器も高級感があります。
▼1階の廊下の突き当りにある浴室。
全体的にリフォーム感がありました。
2階へ
建物の2階も見学できます。
こちらも全体的にリフォームしている感じが出ていて、
建設当時の姿を期待していたので、個人的には残念でした。
唯一、2階にあがる階段は当時のままなのではないかという印象でした。
▼時の経過を感じさせる階段。
▼ガイドには執務室と書かれていた部屋。日本人が和むデザインです。
▼押入れ。元々は布団なんかをしまっていたんじゃないかと想像しました。
臨時首都記念館 展示館へ
臨時首都記念館の裏にはものと釜山高等検事長の公邸が、
展示館として改装され、利用されています。
そちらも見学しようと、元の知事官邸の周りを回って、
建物の裏手にいきました。
裏手には小さいですが庭があって、そこから眺める知事官邸も良かったです。
▼裏手から眺める知事官邸。
▼どの程度当時のものが残っているか、考えながら見ていました。
展示館の元の検事長公邸は完全に改修され、現代的な建物になっているので、
建物自体を見学する楽しみは残っていませんでした。
中には、「釜山の人々の暮らしや政治・経済・文化など」を展示しています。
▼元の高等検事長の公邸とはわからない展示館
▼戦後の文芸雑誌でしょうか。漢字が使われています。
▼町並みを一部再現していました。
▼レトロな食堂の店内の再現もありました。
▼戦後の通貨だと思われます。「圓」の表記があります。
しばらくは独自の圓を使っていたんでしょうか。
▼かつての釜山の様子。
臨時首都記念館 まとめ
1926年完成の元の慶尚南道知事官邸。
レンガ造りの和風の洋館で当時としては斬新な建物だったのではと思います。
すぐ近くには慶尚南道の庁舎があって、
このあたり一帯の政治の中心地だったと思います。
今は、建物の裏にも高い建物ができていますが、
完成当時はそれほど建物はなかったのでは想像しながら当時に思いを馳せました。
帰り道は別の階段があったので、そちらから坂道を降りてみました。
そちらも朝鮮戦争で韓国側に加勢した国の旗を展示していました。
▼こちらの階段にも各国の旗の展示。
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